ピンタブラーの原理は古代エジプトには作られており、鍵として基本中の基本の構造となっています。
ピンタンブラー錠の中には3列~5列ほどの障壁がバネによって鍵穴の中に押し出されています。この障壁となる物をピンと言い、上ピン(アッパー)・下ピン(ボトム)に分かれています。このピンがシリンダーの内筒と外筒を貫くようにセットされている為、鍵を回すことができません。
鍵穴に挿すカギにはギザギザの切れ込みがあり、この切れ込みがピンを押し上げる役目を果たします。鍵穴によってピン長さが異なり、この長さに合う鍵を挿しこむ事でピンが持ち上がり、上ピンと下ピンの切れ目の部分を内筒と外筒の狭間に合わせる事が出来ます。そうすることで障壁がなくなり鍵穴を回す事が出来るようになります。ピンタンブラー錠は基本中の基本構造のため、鍵の知識があればピンの段差を読み取ることが出来る為、ピッキングで難なく開ける事もできます。主に昔の玄関や南京錠がピンシリンダーを使用しています。
また車や単車のシリンダーもピンタンブラー構造となっていますが、上記シリンダーのままでは簡単にピッキングの被害に合ってしまいます。そのため、ピンの配置を上下にする事で複雑化しピッキングの難易度が上がったものが使われています。
防犯シリンダーとして有名なディンプルキー構造もピンタンブラー錠であることはご存知でしょうか。それならピッキングに弱くなってしまうのでは?と心配になられるかもしれませんが、車の鍵同様にピン配列を複雑化させることでピッキングに強い構造になっています。
現在の玄関シリンダーとして使われるディンプルキーは配列が縦横の3列が基本で、中には縦横斜めの5列のピン配列を持つシリンダーもございます。これらのピン配列の組み合わせは膨大な数になりますので、現実的にピッキング行為をする事が無理でしょう。またピン自体がアンチピッキングピンなどを使用している為、ドリル破壊にも強くなっています。
基本は簡易な構造であるピンタンブラーですが、より複雑化し今後も防犯シリンダーとして進化していくことでしょう。